[詩 集]


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ここから1Aの詩

「放課後の教場」
吉田正夫
まったく静かだ 昼間のあの活気にあふれた情景は
どこへ行ったのだろう まったく静かだ
まるで四次元の世界に引き込まれたようだ この世に
俺一人とり残されたようだ 廊下を歩いてみる
自分の足音だけがやけに響く ほんとに静かだ

「花畑」
米津妙子

どこに置こうかしら
あの机の上
この本棚
それとも
あの花畑にしようかしら
そうだあの思い出を
私の胸の中にうめよう
清く 高く そして美しく 永遠に
私の胸の花畑の中に・・・・・

「歩く」
山本雅治

僕は歩いている
目的もなしに
ただ歩きたいから歩く
そして疑問をもつ
なぜ 僕は歩いているのだろうかと
それでも 歩くことをやめない
ただ 無意識に
何か大きなものに 支配されて
僕は歩き続ける
ゆっくりと歩く
目的もなしに

「空」
内田 信久

青い空
果てしなく広がる青い空
故郷につながっている青い空
このさわやかな青い空を見るたびに
心の中のわだかまりがスート消える
なんと不思議だ! 人間の心は
こうも天候に支配されるのだろうか
人間の心はこうも変わりやすい
人間の心は鉄だ! ケルだ!
自然という磁石にたわいもなく引かれる
・・・・・・・・・・・・・

起床の鐘と同時に飛び出し
真先に見る空
そん日の一日は空の色だ
空の色で決まるのだ
遠くまで果てしなく続く青い空
その日は愉快だ何をやっても愉快だ
この日の空の気持を
未来にひきつづきたい
空は果てしなく続く青い空
僕の未来このようでありたい
故郷につながっている青い空
なんと美しい空だ!

「人生」
上木雅晴

ぼくの前はまっくらだ
ぼくはそれを切り開かなければならない
ぼくはどうしたらいいのだろう
このくらい心を明るくしなければならない
これを助けてくれるものはなんだろう
自然だ
広大な自然だ
自然は心をやすらいでくれる
この広大な自然よ
ぼくを助けてくれ
ああ ぼくはこの広大な自然の中で叫びたい
この自然は 人間の力と比べにならない
それほど自然は強い
その自然よ
ぼくを助けてくれ

「雲」
土屋幸子

青く澄んだ空
そこに雲がある
風邪に流されて
雲はいろいろ旅行する
二度と見られぬこの画面
一秒一秒形を変え
そして広い海の上
森の上
大都会の上
思うままに旅行している
あの綿のような雲
雲はベッドのようだ

「腕時計」
塚谷仁志

腕の中で音がする
時計だ
いつも正確に
休むことなく
時を刻んでいる
時計だ
いつ誰がみようとも
いつ誰が触れようとも
いつどこへ行こうとも
彼の知ったことではない
ただ正確に
休むことなく
時を知らすことのみである
 スピード感のある秒針
のろのろした短針
複雑な脳裏の歯車
互いにスクラム組んで
張り切って
頑張って
休むことなく
規則正しく
単調な回転をくり返す
 そして人間に
常にくっついていて
常に見られ
常に時を知らせる
 どこから見ても
時計だ
時計はやっぱり時計だ

「ボックス」
寺西敬造

孤独なボックス
自分のボックス
寮生活
寮生活のたった一つの自由なボックス
自由に好きなことの出来る たった一つのボックス
自由なボックス
僕のボックス
寮生活
寮生活から逃げれるたった一つのボックス
母兄弟のところに帰れるたった一つのボックス
 それがボックスだ
たった一メートル平のボックスだが
ボックス 自由な本当に自由な
勉強もし 手紙も書き 読書もし 寝もした
たった一つのボックス
今まで経験したことのないボックス
孤独で 自由で 楽しいボックス

「人生」
武津博英

真っすぐに青空に向かって伸び
僕達を寄せ付けようとしない
永遠の理想をあらわしているようだ
その煙突こそ僕達の象徴だ
僕達の理想だ
これから歩む道を示している
自然は人をよせつけようとしない
しかし僕達はそれを乗り越えなければならない
それには煙突がよい見本である

「空手道同好会」
武井恒康

苦しい! 苦しい! 練習は苦しい!
などと 口には出せない しかし実際に苦しい
皆 腹の底から地獄へでも行った様な声で
オッス! オッス!
と 叫びながらも
自分の苦しみから耐えて行くのだ
耐えるのだ
自分の精神と礼儀を養うため
苦しい練習に耐えていく
耐えていくのだ!
皆 個人個人に励まして 苦しいながらも
耐えて行く! 耐えていく!
練習が終われば 皆 青空のように
晴れ晴れとした顔で 風呂に向かって
また 寮に向かって まっすぐに行く!

「これではいけないのだ」
鈴木茂子

毎日顔を会わせなくてはいけないのに
それがいやだと思う人ができてしまった
その人が笑っても
その人が愉快な事をいっても
私はちっとも愉快じゃない
私はちっとも笑いたくない
他の人が言うなら笑いころげるのに
そばにいるのさえいやになる
そしてへんに反抗してしまう
その人には少しも悪いところはないのに
その人にはどこにも悪いところはないのに

これではいけない
これではいけないと気づいた私
無理に笑ったり笑おうとしたりした
しかし素直になれない

ある人は無理に笑ってはいけない
自分をいつわってはいけないという
それを聞いて
その通りだとうなづく私

ではどうしたらいいのかしら
努力すればいいのだ
その人の笑いが 私の心からの笑いとなるように
努力すればいいのだ

「無題」
炭崎直子

悲しくなった時
みじめになった時
自分がいやになった時
自分で立ち直るほか
どうすることもできない
人に相談する
その人は以前私が
その人に対したように
一応うなづき なぐさめてくれる
でもその人の心は
私の心になってはいない
自分の傷の痛みが自分にしか
わからないように
そして 私もまた
相談された時
その人の心になることはできない
どうすることもできない

「夜」
佐伯紀子

「消灯お願いします」
空襲警報がだされた時のように
人々がさっと部屋にはいる
しーんとなる
窓をみると かすんだ月が私をみてる
宮崎駅の前のゼロウ樹
南国情緒豊かな青島
きれいすぎる日南海岸
そしてやさしい父母
可愛らしい妹達
と回り灯籠の絵のように
回っている
夜はだんだんふけていく
一人でもの思いにふける

「雲」
奥芝一男

すみきった空を
忍び込むように
かかるような雲
その雲は空をのみこんで
そして
その雲は色々な形にかわり
時には人間のようにもなる
そしてこの地上をじっとながめている
地上の何かを飲み込んでいるかのように
むくむくと太る
そして風に吹かれ飛び散っても
空を飲み込んでしまうようだ
忍びよってくる

「麗高」
小笠原幸夫

麗高
夕日に映える麗高
なんといい名だろう 麗高
学を志す者の集う麗高
徳を尊ぶ者の集う麗高
ああ その名の下に学ぶ我等
日本 いや世界
いや 宇宙に羽ばたく我等
麗高
 その名の下に
 その名の下に
  羽ばたく我等!

「空手道」
中村礼三

風力ゼロ
一番気迫に満ちた時間
アセがひっきりなしに出て来る
空手道練習時間
呼吸が厳しくなる
ちょっとでも気を許すならば自分に苦痛を与える

だが楽しい時間だ
一日の強いピリオドのように思う
一生思い出となる麗高空手道

「起床」
永原誠

「カーン」
「きしょう」
部屋っ子はみんな跳ね起きてバケツを取る
 ドタバタ ドタバタ
みな先を争って走る
たった一発の鐘の音で
部屋っ子は先に起きて上級生を起こす
これがぼくらの最初の仕事だ
今日も始まる
たった一発の鐘の音でみなが起きる
考えただけでも素晴らしい
すがすがしい朝の空気を吸いながら
ぼくらは走る 走る


「霧」
村松朝子

木立の陰をはうように流れる

その甘い露草のような
ほのかな甘みをふくんで
私の前をただよい流れる
わたしの膚にふれ
テームズの岸辺の木の葉をなで
静かに流れる
その甘い陰は私を包み
深い森の中へ誘う
木の葉が舞いながら私に呼びかける
 あなたは誰
 どこからきたの
 何しに
私は答えるようにつぶやく
 私はアスター
 西から来たの
 安らぎと平和を求めに
霧は流れる
甘い夢をのせて
静かに木立の門をはらうように
私の膚をなでて流れる

「自然」
森脇 孝

自然よ
あなたはなぜ無謀なのだ     
おれはそんなに無謀ではないぞ
自然よ 無謀にも限度があるぞ
自然よ もっと冷静になれ
自然よ おれみたいに冷静になれ

この地球のために
この人類のために

「新学期」
宮嶋泰郎

僕を生んでくれた母
僕をかわいがってくれた父母
毎日教場に出かける父
毎日家庭でいそがしい母
そんな生活の夏休み
もうすぎた
もうすぎた
二学期に入った
勉強に
スポーツに
はげもう
父母のためにも
僕のためにも

「故郷の空」

青い空
宮原博

青い澄んだ宝石のような秋の空
この空をじっと見ていると故郷が思い出される
故郷の空が
あの宝石のような空が
しかし今は見えない
この学園の空しか見えない
今故郷を遠くはなれて生活している
この学園の寮で
でもでも僕は満足している
たとえ空は見られなくてもいい
僕はここで三年間力強く生きていく
この学園で
この寮で

「学園の中の私」
三品きぬえ

学園の中の生活がとても楽しい私
学園の生活がぴったりの私
学園の生活に満足する私
 それなのになぜ
 それなのになぜ
心の底から自分の気持ちに行動に学園に
自信が持てぬのだろうか
満足できないのだろうか
学園の生活がすばらしい 私なのに

「一時」
松沢秀弥

緑のしばふ
すずやか 風
若人の歌声
それらは美しい
みな若さが躍っている
魂の喜びが歌っている
青春の一時は楽しい
しかし短いのだ
強く
たくましく
大きくすごそう
高くはばたこう

「秋空」
松崎智子


すみわたった空
青い空
その空に突き刺さるように
飛行機が飛んでいく
そのあとに飛行雲が
コンパスで描いた線のように
弧を描いて浮かぶ
 
「無題」
松山智恵子

事実をみつめよ
否定するな
逃げるな
君は雑草だ
ふまれても立ち上がる
君は雑草だ
根をよくはって
事実を直視している
決しておそれてはいけない
しかし苦しいに決まっている
君は雑草だ
だが宝石よりも美しい

「けんか」
松島元行

寝るぞ 寝ちゃいかん
いつも毎日けんかばかり
多い時日に六回
でもいつも君が勝つ
だからほら あそこにも ここにも
寝ている 寝ている
ようし明日は絶対に負けないぞ
みておれ明日のおれよ!

「月」
松井金次

今日夕食後 歩きながら ふと空を見た
瞬間 網膜にまんまるいものがうつった
その時 いかすなあと思った
そうか 今日は十五夜なんだなあ
まんまるである
まるで鏡のようだ
ふと故郷がしのばれてくるようだ
家の人見ているかなあ
まるで鏡のようである
じっと見た
するとだれかの顔が見えてくるようだ
ほらほらあそこで
東野何をしているかな
こちらのこともあちらにわかるかな
きっと見ているだろうな
月が鏡のようである
何もかも写している
写真をとってみたかった
美しく松林の上に映えている月
月は鏡のようである
でも月は鏡ではない
月は月で鏡ではない
月が鏡であったらならなあ
母さん今何をしているかなあ
食事のあとかたずけをやっているだろうかなあ
小浜の方もきっと月がでているにちがいない
廊下からまたながめた
しかしもう月はでていなかった

 「朝」
柵木純子

カーン
カーン
済んだ鐘の音が
朝の静かな学園にひびく
朝だ
今日一日を充実させよう
きょうはがんばろう
きょうは楽しい日にしよう
希望を持ち
望みをこめる朝
鐘の音をききながら
きょうの一日が始まる朝に

「星」
栗林信夫

おまえは果てしなく輝いている
おまえはやさしく世界をつつんでいる
おまえを見ていると
心がやすらぎ
矛盾したものがどこかに消えていく
今日の苦しみを忘れ
明日への希望をあたえてくれる
いつまでも
いつまでもかわらないで輝いている
おまえはまったく美しい
なによりも美しい
自然が与えてくれた美しい輝きを
おしげなく
僕らに与えてくれる
おまえは果てしなく輝いている
やさしくひかっている―――


「秋」
小島恵子

秋よ
あなたは孤独と寂しさを運んでくる
大自然の色を一変してしまう

私は自分を厳しくみつめている 心の奥までも・・・・
ああ秋よ 私を守っておくれ
私はなりたい
秋晴れの空のごとく清澄な心に

きょうも
枯れ葉が静かに落ちてくる
一枚そして又一枚・・・・・・
秋は静かに静かにふけてゆく

「自習時間」
加藤のぶ子

実に静かだ
ただ聞こえるのは
カチカチという時計の音と
エンピツの走る音と
それに時々パラパラとめくる本の音だけだ
ああ
自分だけが別の世界にいるようだ
この静かな平和の世界が長く続けばよい
だが私にとって苦闘のタイムでもあり真剣だ
実に静かだ
ただ聞こえるのは
カチカチという時計の音
鉛筆の走る音
それにペラペラとめくる本の音だけだ
なんて静かなんだろう
もう一息 私は この平和な
苦闘の時間をがんばろう
時々 自分だけが幻想の世界に
つれらていくような気がする
実に静かだ
だが私はもうすぐ
この平和な苦闘から
のがれなければならない
時刻がきたのだ

「鐘」
金子憲一

一日の生活が始まるのは六時の鐘
半日を過ごし終わるのも十時の鐘
我々の寮生活を支配している鐘
あんなもののどこにそんな力があるのだろう
この鐘で先輩にしかられたこと
またうれしかったこと
人を喜怒哀楽にならしめる鐘
人々に色々な思い出を残させる鐘
神の言葉を伝えているような鐘
きょうもあすも学園があるかぎり鳴り続くだろう

「老木」
井上隆雄

おとなしい老木よ
話すことをせず
動くことをせず 
雨がふこうと 風がふこうと
いつも同じ場所にたたずんできた
煮えたぎるような太陽も
万物が凍りつくような寒さも
もろともせず
あらゆる困難に打ち勝って
ただじっと自然を見つめてきた
一歩一歩 天に近づこうと努力した
なお天は遠い いくらがんばっても
とうていとどかぬことを知りながら
少しでも少しでもと
ひたすら歩んできたその努力!
その根性!
おまえこそ真の努力家だ
絶えることのない努力を続けよ

「授業」
井出 元

10分たった 20分 30分たった
授業も後半に突入した
だんだん意識を失いかける
何をやっているのかわからない
何を書いているのかわからない
先生の声さえ聞こえなくなる
むろん何を説明しているのかわからない
何をやっているのかわからない
俺だけは防音装置のついた箱の中で
だんだんねむくなる
ねむくなる ねむくなる ねむくなる
ねるな! ねるな! ねるな!
自分を励ます心と怠け心がぶつかる
励ます心はどうしても打ち勝つことが出来ない
どうしても打ち勝つことはできない
どうしても打ち勝つことはできない

「授業」
早瀬通夫

カネがなる
このカネで僕は授業の開始を知る
始めは真剣だ
にな真剣だ
しかし俺はちがう
ただ何となく 聞いているだけだ
そして眠くなる
俺はねむらないようにがんばった
しかし 本能にいつも 負けてしまう
寝たいという本能は
全能の神のごとく強い
全能の神に支配された俺は
目をつぶる
そして この世の天国に入っていく
全能の神は 俺を満足させる
授業終了のカネがなる
このカネは 俺を自由にしてくれる
授業という束縛から

「無題」
五島和代

だれよりも最初に学園の一歩を踏んだあなた
一番大きな希望に満ち
一番大きな勇気を持ってきたあなた
そして
だれよりも学園のほこりを持ち
学園を信じ 愛してきたあなた

なのにどうしてあなたはそんなふうなの
どうして反抗的なの
今はもうそういう一切をすてたというの
あなたはそういうすべてを
あなた自身から失ってしまったというの
それとも もっと恐ろしい
自分を偽っているというの
もういい

あなたは だれよりも自分を一番よく知っているはず
そんな今の自分自身にいやけをさしているはず
それでもあなたは反抗的

けれども本当は自分に何か言い聞かせるつもりなの
「 私は戦っているのだよ
 学園に立ち向かう何ものかと・・・・
面と向かって
 私の一番素直な心とともに・・・・・・」
だれも だれも
そんなあなたに気づいていない・・・・

「松の木」
藤島光政

寮の後ろにそびえ立っている松の木
細い木 太い木
高い木 低い木
じめじめした梅雨
夏のあの暑さ
荒々しい台風
身にしみる寒さ
をすべてこの松の木はのり越えてきた
松の木には自然という荒波がある
ぼくにも社会という荒波がある
松の木が乗り越えてきたように
ぼくも荒波をのり越えねばならない



「大自然」
藤岡 繁

「自然もネエ・・・・・・」
増水して水の濁ったこと
風化さして地形を変え
大空を黒くおこりくるわせた
「見たか?」
「見た!」
「見たわ!?」
「ここだぞ」
自然はおそろしい
「なに言ってやがる」
自然とは美しいものだ

見よ! 自然を この大自然を
花が咲き あまい愛をささやく
ぐんぐん成長しているではないか!
一日一日と 一つの美しい形成を成している
だが
自然はおこりくるう
形のある生命(いのち)
形のない生命
地球上に生命をつくり
地球上から生命をうばいとる
 
どれが本当の
大自然の
巨匠の
驚異なのだろうか

「あざみ」
浅野哲二

俺のボックスの左前
一輪のあざみが牛乳ビンにさしてある
2週間もたつのに
つぼみのままで花さかぬ
水もすわずにつぼみから
はかない生命をたっていく
黒くなった茎 花 葉
ひかりをあてないこの俺を
きっとあの世でうらむだろう
明日になればこのあざみ
窓の外にすてられて
しんまで乾くことだろう
花を待ってたこの俺を
裏切った罰だと
ゆるしておくれ
生まれかわったその時は
きれいな花で俺の目を
かれんな花で俺の目を
たのしませておくれ
ごめんよあざみ
かれんなあざみ