[詩 集]

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ここから1Cの詩

「僕の道」
上田政之

僕はゆっくり進みたい
僕は早くゆっくり
僕は味わいながらゆっくり
僕はかみしめながら
人生をおくりたい
人生は長短なのだ
その人できまるのだ ゆっくり着実に行く人
早く着実に行く人
味わいながら着実に行く人
かみしめながら行く人
千差万別だ しかし
きょろきょろジェット機のように
きょろきょろジェット機のように
僕は進まない
進まない
僕の道をすすむ
味わいながら
かみしめながらすすむ
人生はたのしいのだ
人生は苦しいのだ
そして僕も苦しいのだ
僕は孤独な人間かもしれない
人生に左右上下されない僕でありたい
それは 
たんの孤独ではない
僕自身の孤独なのだ
僕一人であじわいたい
人生は長短なのだ
その人できまるのだ
僕の友だちは
僕と教科書かもしれない
でもほんとうにうれしい
ほんとうにたのしい
僕と教科書はいつもにらめっこだ
教科書は僕につげる
僕は教科書をよむ しかし僕の道は苦しい
一本のロープにぶらさがってすすむ僕
僕の道はけわしい
僕の道にはたくさんの関門がある
時には
大声で
おとうさん
時には
大声で
おかあさん
人生をさけぶ
孤独をよぶ
そして
 強いにんたい力を持ち
聖人の道をすすむ
僕はこんな道を長くけいぞくするつもりだ


夏の空に思ったこと」
高木良平

空を散歩しよう
南の海の色をした空を
さざ波のように流れる雲のあこがれ
空想の白い羽を背につけて
杉の木の梢から出かけよう
羽が風にあたる度に
水玉が散って
夕立となるだろう
さわやかな風がふいていくだろう
バラの香りを風が運んでくるだろう
幻想の金色の羽を背につけて
ああ空はどこまでも広く
 ああ空はどこまで深いのか
 空には計り知れぬ何かがある
 その何かは人間にとってなくてはならないものだ
・・・・すくなくとも僕は思う
 空がいくら科学的に分析されても
 何かの答えは出ない
 空にはとけこんでしまいたいような
 魅力があるのだ
 空は果てしなく広く
 深い

「宇宙」
鈴木康介


自然
宇宙
何と広大だろう
何と偉大だろう
夜空に輝く星
何と神秘だろう
宇宙のチリの一つに住む人間
もし地球が爆発してもどれだけ宇宙が変わるだろう
人間の力でどれだけ宇宙を変えることができるのか
人間は悩む
 憎む
 争う
人間の心の中は小さい
大きくなろう 宇宙のように


「空」
新崎朋代

空はなんと広いのだろう
空はなんと青く美しいのだろう
どこまでも青く果てしなく続く広大な空
あの広大な空を見ていると いつか私の心も澄んでくるように見える
いわば私にとって
あの青空を見る時は
自分を偽っていないことを知る事が出来る
空をみていると
世の中の醜さが全く感じられない
それでいて空はちゃんと世の中の醜さを見ている
そんな時空は 雲を呼び雨を降らせる
雨や曇の日の空は なんとなくゆううつだ
見上げると
空が怒っているように見える
でも雨がやんで空がはれた時
再び空の美しさを直感しないではいられないだろう
それほど空は美しいものだろうか
空の偉大さ
空の荘厳さ
自然を求めている
人間にとって
空はなくてはならないものだ
野外で働くにも スポーツするにも みんな青空が必要だ
もし雨だったら きっと何をしても楽しくないだろう
空は私達にいろんな姿を見せてくれる
朝日が登る時の空は
私達に生命力と希望を与えてくれる
青空は 若人達に活動力を与える
夕焼け空は 一日の疲れをいやしてくれる そして星空は
人々にやすらぎと幸福感を与えてくれる
こんなに素晴らしい空を ただ美しいの一言ではすまされない
もっと
もっと
深い味わいというものがあるのではないだろうか


「ふるさと」
嶋田美佐子

夜空の星を見ていると
私はふるさとを見ている様な気になる
私は小さい頃信じていた
人間は死んだら星になるとー
星はうそを知らない
星は憎むことを知らない
星はすべての人に平等に
その愛をふりそそぐ
みにくい事の多い世を つつましく清純なその光でおおう
その素晴らしい星がふるさとなら
私は何と幸福だろう


「ふるさとの秋」
三瓶絢子

夕焼け空を見ると思い出す
ふるさとの秋 いまごろ友は何をしているだろう
やっぱりこの美しい空をながめているだろう
遠いふるさとで
幼い頃 こんな夕焼けの時は赤トンボをとった
柵に止まった赤トンボを かわいい指をクルクル回して羽をつかむ
夕日を受けて
チカチカと光る透明の羽を そっとなでる
たまの秋晴れには まりものような新鮮な栗を取りに行ったー
こんな思い出が私の心を通りぬける
ふるさとの秋は夕焼けの空のようだ
私は夕焼けの美しい空を仰ぐ
そして
ふるさとの秋を胸いっぱいに吸いこむ


「朝」
小栗敬子

カーン カーン
一日の始まりを告げる鐘だ
“あーぁ 朝か”
また朝がやってきたのか
ねむたい!
ねかせてほしい
朝のさわやかさ
朝のすばらしさ
朝ののどけさ
多くの人が口にするようなことばを
みとめたくない私
“今朝も胸をはってがんばろう!!”
といえる人
その人は一日一日と
着実に努力している人だ
アイロンが熱くなるようだ じわじわと努力しているんだ
朝か・・・ けれど朝なくして一日は始まらぬ
朝よ 私に朝のさわやかさを
朝のすばらしさを
朝ののどけさを
みとめさせておくれ
朝よ
 私の心の友となって


「空」
野見山純子

みろ
 秋の空を
すいこまれそうな青さだ
私の顔青くない
そうききたくなるような その青さ みろ
 冬の空を 静かに静かに だれにもふり向かれず
ただじっと 春を待つ冬の空
その灰色の中に夢を持つ冬の空 みろ
 春の空を 征服のよろこびみなぎり
花の色を反射してまぶしい空
暖かい生のいぶきをみまもり
成長へ導く春の空 みろ 
夏の空を 持てるだけの力を我らに与え
大手を広げて我々をむかえる
まぶしい夏の空 空はここにあったのだ
我らとともにあったのだ


「疑問」
野見山純子

私にはわからない
なぜ人間というものがいるのか
なぜ人間というものが存在しなければならないのか
何のために人間は生きているのか
私にはわからない
なぜ人間は笑うのだろう なぜ
人間はおこるのだろう
なぜ人間はなくのだろう
わたしにはわからない
人間なんていなくても良いじゃないか
地球なんてなくても良いじゃないか
宇宙なんてなくても良いじゃないか
私にはわからない
私にわかっているのは
人間がいるということだけだ
私がいるということだけだ


「春夏秋冬」
長井孝介

春 春だ
明るい日ざし暖かい日ざしを胸一杯に秘めて
おまえは遠い国からやって来た
地球上のあらゆる生物に
おまえは息吹を感じさせる
童は野山を駆け 
小鳥は空高くまいあがり
草花は今ぞ とばかりにもえいでる
春だ
春は一日の夜明けだ

夏が春からのバトンを受け継ぐとき
天地は驚異の絶頂に至る
オマエは人間からバカンスのシーズンとよばれ
大いに魅力を発揮する
青い海には白い帆
緑の野山にはいろとりどりのバンガロー テント・・・・
夏だ 夏は一日の真昼間だ
秋 秋の訪れ
天地はおまえを大歓迎しよう
さわやかな風をなびかせ
野山の木々を
 色づかせるためにやって来た
天高く馬肥ゆる秋
 読書の秋
 スポーツの秋
芸術の秋 どうしてそんなにたくさんの名をもっているのだ うらやましいじゃないか
しかし おまえは木の葉落ちる如く
 短い命だ
一時の感動のたかまりも やがては衰え
 おまえは
はかなく去っていく
秋だ
秋は一日の夕暮れだ
冬 冬は駆け足でやって来る
肌を刺す木枯らしが吹き
雪がしんしんと降る
野山一面は
純白のベールをかぶる
そして おまえは
地上の悪徳をも
おおいかくす
人間は
その上を
 ただ一心にすべるのだ
彼らは純白のベールに 
二本の汚線を残す
しかし おまえは愚痴を言わな
 嘆くことをしない ああなんと尊い謙虚さよ
冬だ 冬は一日の夜半だ


「あらゆる顔」
森本隆子

ひとによってなぜ違う顔をしているのだろう
皆輪郭や形が違うのはどうしてだろう
同じ地球上にすみ
同じ人間でありながら
おもちのような四角い顔
おむすびのような三角の顔
おまんじゅうのような丸い顔 などとあらゆる顔である
なぜ平等に同一にしてあげないのだろう
似たような輪郭でも
鼻が低かったり高かったり
まゆ毛の位置や大きさが違ったり
眼や口の大きさが違ったりしている
どうしてみんな違う顔をしているのだろう
人を捜すのにも便利だし
他の人と見比べることもできるし
見あきることもなく
変化に富んでよいと思う
もしこの世に同じ顔の人ばかりだったら
他の人と見比べができなくて困ることだろう
やはりこの世に
あらゆる顔の人が集まっているからこそ
楽しいものだ


「海」
水谷哲子

松林を抜けると銀色に光った砂浜が
そして海がある わたしはこの海が大好きだ
海はこわい
台風の時は狂ったようにあばれる
しかしいつもの海はそんなではない
海はたのもしい
何をされてもビクともしない
潜水艦がもぐっても
くじらが住んでも
爆弾を落とされても
夏には太陽にいやというほど熱されても
冬には強い北風に痛めつけられても
海は平然といつもの海を装っている
海にこわいものがあるの?
海はおもしろい
台風の後 
浜辺に大きな泡をつくる なかなかつぶれない泡をつくる
わたし達の五倍も十倍もある泡を どうしてこんなものを作るのだろう
一万も十万も・・・もっともっと
海もお風呂にはいるの?
海はやさしい
大きな銀色の浜辺をわたしに与え
わたしの積んだ砂山を崩し
わたしと遊んでくれる
またきれいな貝殻をたくさんマスコットにくれる
わたしが行くたびに 
きれいな貝を買いておいてくれる みんなに
 平等に こんなにたくさんくれたらなくならないの?
海は清潔だ
わたしの捨てたゴミもその日のうちに掃除して
砂の中に埋めてしまう そして
 いつの間にか砂にして
砂と一緒にしてしまう
海みたいに清潔な人いるの?
海は神様だ
わたしの 
爆発しそうな気持ちを 静めてくれる
耐えようのない孤独感に襲われた時も
慰め励まして助けてくれる
こんなことが誰にできるだろう
海でなくてはできない なぜそんな不思議な力を持っているの?
アアッ!
 海! 
海!
わたしは体中で
思い切り海を抱いてみたい
どんなに○くても○する
わたしもあなたのように生きさせて
広く大きく
 明るく
 やさしく


「母」
宮川麗子

やさしい目
きびしい目
はげしい目
その目の奥に
何かが潜む
大きい手
節々の高い手
あかぎれの手
その手の中に
私は抱かれる
父の愛 母の愛
一人の母から
二人の愛を
精一杯受ける私
あの清澄な麗しい目を持った母から
あの素晴しく上品な手から
愛を受ける私
美しいブラームスの子守り歌
ハンモックのしらべ
ハシャバヤピチャピチャ
水の音の合唱
可愛いいベビイ服
母の愛の中で
かぐわしい匂いの中で
はぐくまれ
伸びる私
素晴らしい母
大好きな母
日本一の母
世界一の母
あなたのような女性になりたい


「鏡」
汀百合子

私が笑えば
 鏡の顔も笑っている
私が怒れば
 鏡の顔も怒っている
夜のとばりが
 おりる頃 私は一人考える
一人深く考える 日々の糧
 今日の糧を 考える
夜のとばりが
 おりる頃
私は一人考える
私が言った言葉を
今日の行為を 一人深く考えるのだよ


「幹」
松沢太郎

いつも何かを見
いつも何かを考え
いつも何かをしている
自分 しかし
 これらは皆枝だ
幹ではない
自分には
あの若い杉の幹のような
大空に向ってまっすぐに
ぐんぐん伸びる
幹がない
いつも何かを見 いつも何かを考え
いつも何かをしている
けっしてかん木のままではすますまい


「私は人間」
松下 駿

私は今ここに存在する
私は今ここに生活する
私は人間としてここに生まれた
この広い宇宙の中の このちっぽけな星に
私はかって二次元の世界にいた
一次元の世界でも暮らした
そこにはたくさんの友がいた
皆あこがれる
 三次元の世界 皆あこがれる
 人間の世界 競争率数万倍
その中で私は選ばれた
そして人間として生まれる
戦いに破れた友
彼等は牛となり馬となった
彼等は私に仕える立場となった
私は彼等を仕う立場となった
人間に生まれて間もない頃
私は○を見ながら言った
「お母さん 牛に生まれなくてよかったね」
人間の世界がわかってきた頃
私は空を見ながらいった
「お父さん 人間ってみにくい動物だね」
私はあこがれる
 あの二次元の世界
私はあこがれる 
あの一次元の世界を
私は何年か後
私は何十年かのあと叫ぶだろう
「人間の世界よ 私が今度来る時は もっと美しいものであれ」


「鏡」
松村和子

どうして鏡を見るの
どうしてって
自分を見るのよ
何を見るの
姿!
それとも
心を 一体
なんのため なんのために
鏡があるのよ 顔を見るためや
みだしなみを整えるため
でも それだけかしら もっと
大切な大切な
鏡の役目はないかしら ない
べつになにもないよ ばか
ある
 あるのよ
心 そう!
 心よ
鏡に自分の心をうつすのよ
みにくい心を おしみなく
すててしまうの
鏡は正直よ どんなことでも
前にたったら そのとおり
ゆがみもしないわ
泣き顔 おこり顔
顔は心の遊び場よ
遊び場の様子が一目でわかるのも 鏡
 鏡よ
ほら鏡が ほほえんでいるじゃない


「雨」
黒田 光

雨がふってきた
雨は不思議○音楽をかなでる
なぜか○を思い出させる
そうだ あの音楽は
五年昔も
 十年昔も
同じだ しかし聞く人間は変った
雨は人間を強くした
 賢くした もし雨がふらなかったら
人間は家を作ることを 考えなかったことだろう
こんなにも
文化は向上しなかったことだろう
晴天の日はいい
秋晴れは美しい
 素晴しい
雨ふりの日がなかったら
晴れの日の素晴らしさも わからないことだろう
雨はじめじめしている
陰気だ じゃまな雨
嫌われる雨 それでも雨はふりつづける
時期がくれば
必要な時には とまるともなく
つぎからつぎへと
雨がふってきた


「点」
近藤 勝彦

ぼくは
この世に生きている
宇宙の中の一点である
小さな点 すぐ消えてしまう
弱い しかし
 ぼくは
 ただの一点だとは思わない
思いたくない また思ったらだめだ
この一点こそがぼくなのだ
ぼくなのだ
一点としてでなく終わらせたくない
少しでも大きく
少しでも広く深く
向上させていこう


「青空」
木田忠志


空はひろがる
世界に通じる
世界の端から端まで
切れることを知らない 無限に
無限に・・・・・・・
僕もひろがる
無限に・・・・・・・
空のように
青く澄んだ空のように・・・・・
大好き空
無限の空
美しく澄みきった空 見ているだけで
 見ているだけで
ファイトがでる劣等感を流して
明るい喜びと微笑を生む
こんなすばらしい空
僕の心に
心の中にひそんでいてくれ いつまでも
 いつまでも 君も
 彼にも
 彼らにも
世界の友達にも

 持とう
青空のような心を
そして世界を一つの輪の中に
一つの輪の中に
僕は叫びたい


「私だけの時間」
川瀬敦子

私だけの時間
それは
誰にも束縛されない
将来の夢を描く
やさしい
大好きな母と会える
何千メートル何万メートルの隔たりをも超越する
そして
私を無限の世界に誘い込む どんな
  いやな苦しいことがあっても いったん
 ここに入り込むと
すぐに忘れてしまう
何かに◎ったように ここに入りたければ
すぐに入るといい
誰でもみんな入れるよ
わずらわしい規則もないんだ 証明書だって
 いらないんだよ
だから私は好きなんだ
ここに入るのが
ここに浸って憩う時
私は最高にゴキゲン
でも すぐに
 その幸福は
 かき消される
あの憎たらしい起床の声に
たった8時間の喜びであり
幸福だけど この時間が
私の一番大切なものなんだ


「思い出の中に」
川瀬敦子

冷たい風が
私につらく当たり
「ごめん」とも言わないで駆けて行く時
私は思い出の中に入ってしまう
  ハーッ!ハーッ!っと
  白い息をはき出して
  友達と
  運動場を走り回ったあの日・・・・
  誰かがころんで泣いたっけ
濃い霧が あたり一面にたちこめて
まわりには 私だけしかいなくなり
そして
寂しくなった時
私は思い出の中に入ってしまう
  あの道を
 私は
 私を孤独においやる者から逃げ出そうと
  一生懸命駆け出したっけ  
 一生懸命
 でも でも
 どんだけ走っても
 やっぱり
 あの白い悪魔は
 私の回りにくっついて離れない
  どんだけ走っても
 それで
 私は 「お母さあーん」って 叫んで泣いたっけ


「自然」
藤川 勇

自然
自然はなぜこんなに静かなのだろう
なぜこんなに大きいのだろう
なぜこんなに美しいのだろう
ぼくたちはそのふところにいる
我々は自然の子供だ
自然はときどき怒りもする
しかし自然はあくまで静かだ
そしてそれは永遠だ
永遠にどっしりと腰をおろしている


ここまで