| 明けまして、おめでとうございます。昨年もさまざまな困難が ありましたが、新たな年を、日本再生への明るい兆しを感じながら
迎えられますことをうれしく思います。東日本大震災、福島原発事故は 発生からまもなく3年を迎えます。被災者の方々が復興への確かな希望を見出せる、
確固たる政策の一日も早い実現を願わずにはいられません。 経済再生が急がれる中、今年はアベノミクス「3本の矢」の成果が 問われる年になります。東京オリンピック・パラリンピックの開催決定という「第四の矢」によって、 「成長戦略」に弾みがつくことが期待されています。 一方で、有名ホテルや老舗百貨店による相次ぐ食材の偽装発覚は、国民の 信頼を裏切り、大きな社会問題となりました。ごまかしのない真摯なモノづくり、 正直な商売の積み重ねが「メイドインジャパン」のブランドを築いてきたのです。 失った信頼の回復に向けて、ここでもう一度、「原点」に立ち返る必要があるのではないでしょうか。 相互の信頼関係にもとづく「民間の活力」、そして経済再生に向けて一丸となる 「国民のきずな」を第五、第六の矢として加え、復興への足取りを確かなものとしたいものです。 モラロジーを創建した法学博士・ 廣池千九郎は、自分と相手だけでなく、第三者もふくめた利益をはかる経営を提案しました。 自社だけでなく消費者も、国家も共に栄える。大都市だけでなく地方も、そして被災地も共に再生する。あらゆる計画に「三方よし」の政策が求められます。 昨年秋、孔子のご子孫である孔家第七十七代・孔徳成先生の五年祭のため、台湾を訪れた際、「エバーグリーングループ( 長榮集団)」の張榮發総裁にお会いすることができました。日本の教育を受けて育った張総裁は「台湾の松下幸之助」ともいわれ、 「道徳なくして永続は果たせない」との理念のもと、一代にして世界最大級の総合運輸グループを築いた、台湾を代表する実業家です。自社の利益だけでなく、社員や その家族、そして社会公益を常に考えた経営はまさに「三方よし」の実践といえます。 86歳の年齢を感じさせない凛とした姿勢と眼差しに、日本に対する深い信頼を感じ、日本再生への勇気をいただきました。 今年こそ、私たち個人や家族、そして社会、国家が一体となって、日本の真の復興を力強く実現する、そんな一年にしたいものです。 本稿は、公益財団法人モラロジー研究所出版部発刊の『れいろう』(2014年1月号)誌に掲載されているものです。 |