『70年目の夏』
モラロジー研究所理事長
廣池学園理事長
廣池幹堂

 今年の8月15日、日本は70回目の「終戦記念日」を迎えます。
 当時、20歳だった青年も90歳となり、戦争を知る世代の方々は歳を経るごとに、少なくなっています。一昨年に101歳で他界したMさんは昭和12年、陸軍の工作隊として陥落から三日後に南京市内に入った経験をお持ちでした。この南京で日本軍が市民など30万人も虐殺したと中国が主張しており、「南京大虐殺」は今や国際社会に定着し、日本の教科書にも明記されるようになりました。もし、それが真実であれば、Mさんは当然、その惨状を目にしたはずです。しかしご本人は「そのようなことは一切なく、何も異常はなかった」とはっきりお話しされていました。
 その証言どおり、当時の様子を報じたニュース映像には、多くの市民が楽しそうに旧正月を祝う光景が克明に記録されています。
 かって日本を占領するにあたって、アメリカは「日本が二度と脅威にならないように」という意図で、周到な政策を準備しました。
 それにより戦後、わが国では人権尊重・反戦・平和・平等の名のもとに「行き過ぎた個人主義」、歴史と伝統を否定し、国旗・国歌さえも認めない「国家を否定する教育」が行われてきました。国公立大学のうち今年3月の卒業式で国歌を斉唱したのは、わずか17パーセントです。最近の若者たちの元気のなさ、自信のなさは、戦後の「日本が嫌いになる教育」の成果といえるのではないでしょうか。
 敗戦から10年後、史上初めて有色人種だけで開かれたバンドン会議では、アジア・アフリカ各国の代表たちが「日本のおかげで独立できた」と言って、日本代表を握手攻めにしたといわれています。日本は確かに戦争に敗れました。しかし「アジアを白人支配から解放する」という戦争目的は達せられたと評価する見方もあるのです。
 若者に「世界の非常識」とも言うべき教育を70年も行ってきた、戦後の日本こそが「最大の反日国家」といえるのではないでしょうか。私たちの先人は、未曽有の敗戦から、20年足らずで東京オリンピックを成功させ、驚異的な経済発展を成し遂げました。しかし、戦後70年たった今なお「国家・国民のあるべき姿」は失われたままです。
 当時を知る体験者がわずかとなり、国民の多くが「戦争を知らない世代」となった今、誤った教育を再生し、日本を再生させる最後のチャンスが私たちに委ねられています。
 
本稿は、公益財団法人モラロジー研究所出版部発刊の『れいろう』(2015年8月号)誌に掲載されているものです。
バックナンバーは下記をクリック
11月04 12月04 1月04 2月04 3月04 4月04
5月04 6月04 7月04 8月04 9月04 10月04
11月04 12月04 1月05 2月05 3月05 4月05
5月05 6月05 7月05 8月05 9月05 10月05
11月05 12月05 1月06 2月06 3月06 4月06
5月06 6月06 7月06 8月06 9月06 10月06
11月06 12月06 1月07 2月07 3月07 4月07
5月07 6月07 7月07 8月07 9月07 10月07
11月07 12月07 1月08 2月08 3月08 4月08
5月08 7月08 8月08 9月08 10月08 11月08
12月08 1月09 2月09 3月09 4月09 5月09
6月09 7月09 8月09 9月09 10月09 11月09
12月09 1月10 2月10 3月10 4月10 5月10
6月10 7月10 8月10 9月10 10月10 11月10
12月10 1月11 2月11 3月11 4月11 5月11
6月11 7月11 8月11 9月11 10月11 11月11
12月11 1月12 2月12 3月12 4月12 5月12
6月12 7月12 8月12 9月12 10月12 11月12
12月12 1月13 2月13 3月13 4月13 5月13
6月13 7月13 8月13 9月13 10月13 11月13
12月13 01月14 02月14 03月14 04月14 05月14
06月14 07月14 08月14 09月14 10月14 11月14
12月14 01月15 02月15 03月15 04月15 05月15
06月15 07月15