| 日本との戦争のすべては、戦争に入りたいという狂人(ルーズベルト)の欲望だった−。 これはアメリカの第三十一代大統領ハーバート・フーバーの回想録『フリーダムー・ビトレイド(裏切られた自由)』の一節です。 真珠湾攻撃から七十五年目の今年、そのエッセンスをまとめた『日米戦争を起こしたのは誰かールーズベルトの罪状・フーバー大統領回顧録を論ず』が日本で刊行されました。 フーバーはこう述べています。 @日米戦争は時の大統領フランクリン・ルーズベルトが、日本に向けて仕掛けたもので あり、日本の侵略が原因ではない。 A一九四一年の日米交渉では、ルーズベルトは日本側の和平への妥協案を受け入れる意図は、初めから全くなかった。 Bアメリカは原爆を投下せずに日本を降伏させることができた。原爆投下の罪は、重くアメリカ国民の上にのしかかっている。 卑怯な「編し討ち」とされる真珠湾攻撃も、すべてを日本の侵略戦争と結論づける「東京裁判」の歴史観も、当のアメリカの元大統領が真っ向から否定しているのです。 先の大戦は「正義の戦争」だったと信じて疑わないアメリカ国民にとって、元大統領が明かす歴史の真相は”不都合な真実”そのものでしょう。彼の回想録は死後五十年もの間、アメリカで封印されてきました。 あの戦争を起こしたのは誰なのかー。日本の行動すべてを「悪」と決めつける戦後の歴史観から目を転じると、これまで光の当たらなかった、戦中戦後の日本人の姿が見えてきます。 敗戦後、多くの日本人将兵が、裁判という名の報復劇にさらされました。赤道直下の島に収容された部下二百三十名が、戦犯としてひどい扱いを受けているー。それを知った今村均大将は、無実を証明して一人でも多くの命を救うため、この島へ自分を移送するよう、何度も連合軍に嘆願をします。戦いに敗れし後も、命懸けで一人闘い続けるその姿は、マッカーサーの心をも動かしました。「私は今村将軍が旧部下戦犯と共に服役するためマヌス島行きを希望していると聞き、日本に来て以来、初めて真の武士道に触れた思いだった」。 帰国後、今村中将は膨大な回想録を出版しました。その印税はすべて、戦死者や戦犯刑死者の遺族のために使われたといいます。 フーバー回想録の日本語版が出版され、一人でも多くの人々に読まれ、歴史の再検証が進むことを願わずにいられません。 本稿は、公益財団法人モラロジー研究所出版部発刊の『れいろう』(2016年12月号)誌に掲載されているものです。 |