| 平成29年の新たな年を迎えました。読者の皆様のますますのご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。 アメリカの次期大統領にドナルド・トランプ氏が選ばれました。実業家出身で、史上初めての公職経験をもたない大統領です。常識にとらわれない既成政治の変革を掲げ、「メイク・アメリカ、グレート・アゲイン(偉大なアメリカを再び)」をめざすトランプ改革に世界中が注目しています。 世界経済の中心地で大成功をおさめたビジネスマンだけに、国益優先の“アメリカ・ファースト”で、すでにTTP(環太平洋パートナーシップ協定)からの離脱、さらに日米安保条約はフェアではないとして、在日米軍の駐留経費を増額しなければ、撤退する考えも示しています。 戦後、日本は自国の安全保障をアメリカに任せ、経済復興に全力を傾けてきました。「平和と水はタダ」とばかりに泰平を謳歌してきたわが国が、トランプ大統領の登場によって、生き馬の目を抜く現実世界に放りだされようとしています。 強いアメリカに追い従う関係から、補い合える対等の関係へと変わっていくために、これまで考える必要のなかった自国の守り、自立した国としてのあり方を早急に考えていかねばなりません。 そこでは、70年間、フタをしてきたものと向き合う必要があります。日本の国のあり方を現す日本国憲法です。今の憲法は、占領中にGHQが一週間で起草したものであることは、すでに定説となっています。「日本国憲法はアメリカがつくった」と副大統領が明言し、波紋んを広げたこともありました。 日本はこれからどこに進むべきなのか。転換を迫られる今こそ、国民の、国民による、国民のための憲法をつくる議論をすべき時ではないでしょうか。トランプ大統領の就任はまさに泰平の眠りを覚ます”21世紀の黒船”といえるでしょう。 日本はペリーの黒船の脅威を近代化のチャンスとし、敗戦、占領による危機をみごとに復興させ、東洋の奇跡といわれるほどの経済成長を実現しました。今、日本は自己変革を遂げる、絶好の機会を迎えています。 今こそ”ウェイクアップ・ジャパン”。そんな1年にしたいものです。 本稿は、公益財団法人モラロジー研究所出版部発刊の『れいろう』(2017年1月号)誌に掲載されているものです。 |