| 今年も激動の一年が終わりを迎えようとしています。 世界の情勢は依然として混迷を極めています。アジアにおいても、国際協調を無視した中国の軍拡と覇権主義はとどまるところを知らず、北朝鮮はミサイル開発や核実験に狂奔していると言わざるをえません。日本をめぐる軍事的脅威は増すばかりです。 有力マスコミの。"フェイクニュース"が話題になった一年でもありました。テレビや新聞などの偏向報道が問題視される中で行われた衆議院総選挙でしたが、多くの国民はそれに惑わされることなく、安定した基盤のもとでの政権運営を求めたようです。来年は日本の国にとっての大きな節目です。今上陛下のご譲位もいよいよ現実のものとなり、憲法改正などの重要課題も山積しています。 敗戦から七十余年、わが国は世界有数の豊かで平和な国を築いてきました。その日本には今、多くの外国人旅行者が訪れています。先日、米国の有力旅行誌が発表した「魅力的な都市ランキング」によると、東京は二年連続の首位。「超近代的でネオン輝く高層ビル群と、落ち着いた寺や歴史的な神社、広々とした森林という矛盾がミックスされている」と評価され、「地球上で最も多くのミシュランの星を得ている」と、美食都市としての側面も賞賛されました。そのほかにも京都が三位に入るなど、多くの外国人が「日本は魅力的な国」と認めているのです。 しかしなぜか、ここで生まれ育った日本人は、自国に誇りを感じていないようです。誤った戦後教育によって国民としての誇りや愛国心を失い、国旗や国歌すら否定する人もいまだに少なくありません。長年にわたって道徳教育が行われてこなかった歪みは、さまざまな悲劇や凶悪犯罪を生んでいます。近年の世界的な企業の不祥事も、日本人のモラルの低下の現れではないでしょうか。 先人たちが悠久の歴史の中で築き上げてきた、世界が認めるすばらしい文化と経済力。これらにますます磨きをかけ、次代へとつないでいくためには、教育の再生が急務です。来年度からは、ようやく小学校で教科としての道徳教育が始まります。国づくりとは、人づくりです。心の教育によって「よき日本人」の姿を取り戻し、来年こそは日本復活の年にしたいものです。 本稿は、公益財団法人モラロジー研究所出版部発刊の『れいろう』(2017年12月号)誌に掲載されているものです。 |