| 本年7月、麗澤のキャンパスに、天然芝にも負けない最新の人工芝が施されたラグビー場が完成しました。生徒たちにはここで心と体を大いに鍛えてもらいたいものです。 ラグビーはイギリスの全寮制の私立学校、パブリックスクールの「ラグビー校」で生まれ、テニスやゴルフなどと同様に「紳士のスポーツ」と呼ばれています。「One for All ,All for One(一人は皆のために、皆は一人のために) 」という言葉は、協調、団結といったチームプレーの精神を象徴するものです。 ラグビーは「最も番狂わせが少ないスポーツ」ともいわれます。チームの全員が一丸となって、フェアプレーの精神で正々堂々とぶつかり合うからこそ、強いチームが勝つのです。また、試合が終わると「ノーサイド」といって、敵も味方もなく、互いに健闘を讃え合います。「子供を大人にするスポーツ」といわれるゆえんです。 他者と積極的にかかわる中で強調心や責任感、誠実さや思いやりを学び、時には衝突も経験しながら切磋琢磨して心と体を鍛え、人間として成長していく。それは昭和10年に全寮制でスタートした麗澤の「知徳一体」の精神に通じるものです。 今、スポーツ界での不祥事が相次いでいます。教育力が低下した戦後の日本では、商業主義や勝利至上主義の影で、スポーツマンシップ、フェアプレーの精神が忘れられてきました。大人のエゴで、若者たちの夢や将来が犠牲になってはいけません。 三年前のラグビーワールドカップでは、日本チームの活躍が大きな話題になりました。来年はいよいよ日本でのワールドカップ、そして2020年には東京オリンピックが開催されます。まず大人がスポーツマンシップやフェアプレーの精神をしっかりと身に付けなければなりません。 本稿は、公益財団法人モラロジー研究所出版部発刊の『れいろう』(2018年10月号)誌に掲載されているものです。 |